2024年10月衆議院議員ランキング 31回戦
鈴木憲和 vs 奥野総一郎
勝: 奥野総一郎
戦評
国会議員Aは、官僚としてのキャリアを背景に農業政策に深い見識を持ち、有力な立場で政策形成に関与している。しかし、選挙運動における秘書の相次ぐ法律違反は管理能力の疑問につながる。信念を貫く勇気は評価されるが、政界での汚点がリスクとなる。 一方、国会議員Bは、多様な政治的経験を持ち、法学に精通していることから法案審議などで貢献できるポテンシャルがある。しかし、旧統一教会との関係をめぐる問題は彼の信頼性に影を落とす。政党の移り変わりからくる一貫性の欠如も長期的な政策ビジョンの提示に不安が残る。 両者にメリットとデメリットがあるものの、法律違反の疑惑が繰り返し生じている点でAのリスクが大きく、総合的に考えてBの方が透明性の面で少し優れていると判断した。
鈴木 憲和(すずき のりかず)
議員データ
衆議院議員 | |
年齢 | 43歳 (1982年01月30日生) |
所属政党 | 自由民主党 自由民主党(茂木派) |
選挙区 | 山形2 |
議員サマリー
政治家になる前の経歴
- 東京都出身で、開成高等学校卒業後、東京大学法学部を卒業。 - 高校在学中はテニス部に所属。 - 2005年、農林水産省に国家公務員として入省。品目横断的経営安定対策に携わる。 - 2007年には内閣官房の「美しい国づくり推進室」へ出向。 - 消費・安全局で消費・安全局表示・規格課法令係長、総務課総括係長を歴任。 - 2012年に農林水産省を退官後、山形県南陽市で政治活動を開始。自由民主党山形県連の候補者公募に合格。
政治家としてのキャリア
- 2012年12月、第46回衆議院議員総選挙に山形2区から自民党公認で出馬し初当選。 - 2013年、TPP交渉に関する反対を貫くも、安倍首相の交渉参加表明を受け苦戦。 - 2016年、平成研究会に入会。TPP承認案・関連法案の採決で退席し、党議拘束に造反。 - 2017年、希望の党からの対抗馬を比例復活も許さずに再選。 - 2018年、第四次安倍改造内閣において外務大臣政務官に就任。 - 2021年、人権外交プロジェクトチームの座長に就任。 - 2022年、第53代自由民主党青年局長に就任。 - 2023年、第2次岸田第2次改造内閣で農林水産副大臣に就任。
政治活動上の実績
- 2012年、TPP交渉参加反対を掲げて初選挙を戦う。 - 2016年、TPP承認案・関連法案の採決で退席し、自由民主党での造反を起こすが処分はなし。 - 2018年、外務大臣政務官としての活動開始。 - 鈴木事務所の秘書が2017年の選挙で公職選挙法違反(法定外文書頒布)で処分を受ける。 - 2021年の選挙で鈴木氏の陣営の元米沢市議会議員が公職選挙法違反容疑で逮捕。
政治的スタンス
- 日本国憲法第9条を含む改正を支持。 - 憲法への緊急事態条項の創設を推進。 - 原子力発電については、当面必要とするも将来的な廃止を支持。 - 日本の核武装については否定的で、「議論する必要はない」との立場。 - 合区解消のための憲法改正を支持。 - 特定秘密保護法案への賛成票を投じた。
国民の代表としての適格性を判断する上で特筆すべき事項
- 東京大学法学部卒業という高い学歴は、一定の知識と知性を示すものと考えられる。 - 農林水産省での経験と官僚としてのキャリアが政策決定において役立っている可能性。 - TPP問題での党方針に対する造反は、自らの信念を貫く意思を持つことを示している。 - ただし、秘書による公職選挙法違反が二度にわたり発生し、選挙運動に関する透明性や管理能力についての不安を生じさせている。
奥野 総一郎(おくの そういちろう)
議員データ
衆議院議員 | |
年齢 | 60歳 (1964年07月15日生) |
所属政党 | 立憲民主党 (無所属→)(民主党(小沢G・原口G・平野G・礎会)→)(民進党(赤松G)→)(希望の党→)(国民民主党→)立憲民主党(野田G) |
選挙区 | 千葉9 |
議員サマリー
政治家になる前の経歴
- 1964年、兵庫県神戸市で生まれる。 - 神戸大学附属住吉小学校を卒業。 - 甲陽学院中学校・高等学校を経て、東京大学法学部を1989年に卒業。 - 卒業後、郵政省に入省し、国家公務員としてのキャリアをスタート。1996年から横浜市企画局へ出向。 - 千葉市長選挙に立候補するが落選。その後、広中和歌子参議院議員の政策担当秘書として活動。
政治家としてのキャリア
- 2009年の第45回衆議院議員総選挙で民主党公認で千葉9区から立候補し初当選。 - 代議士としてのスタートを切り、すぐに民主党の代表質問に立つ。 - 複数の再選を果たすも、小選挙区での敗北を繰り返し比例復活。 - 希望の党、国民民主党を経て立憲民主党へ参加。 - 立憲民主党国対委員長代理、衆議院予算委員会理事、衆院憲法審査会幹事を歴任。
政治活動上の実績
- 2009年、初当選後、民主党新人の中で真っ先に代表質問を行う。 - 2010年、民主党代表選挙では小沢一郎を支持。 - 2017年希望の党から立候補、比例復活で当選。 - 2021年、立憲民主党が国民投票法改正案の採決に応じる環境を整備に貢献。 - 2022年、日本共産党と社民党の憲法記念日集会で、与党の改憲姿勢を批判し、その後発言を部分的に撤回。
政治的スタンス
- 憲法改正には、時期により賛成から反対まで態度が変動している。 - 集団的自衛権の行使には強く反対。 - 選択的夫婦別姓には賛成。 - 原子力発電への依存をゼロにすべきと主張。 - 同性婚合法化やLGBTへの理解増進法案への支持を表明。
国民の代表としての適格性を判断する上で特筆すべき事項
- 東京大学法学部卒の法学士であり、高度な知識を活かした法的問題への対処力。 - 豊富な選挙経験による国民との対話能力がある。 - 旧統一教会との接点が取り沙汰され、その際に党の役職を辞退した過去があり、一定の批判を受ける事態に。 - 多様な政治スタンスを示しているが、一貫性が乏しいとの指摘もあり得る。 - 複数の政党を経る適応力はあるが、政治的ポジション変更が柔軟過ぎて慎重さを欠くと言われる可能性。