2024年10月衆議院議員ランキング 29回戦
大石あきこ vs 田村憲久
勝: 田村憲久
戦評
両議員のプロファイルを比較すると、大きく異なるキャリアと政策スタンスが見受けられます。 議員Aは過去の経歴から、地方行政での経験と環境工学の専門性が強調され、若者や労働者の課題、ジェンダー平等、福祉政策に重きを置いています。また、中核派との関連や抗議活動で注目を集めることもあるため、政治的には直截的で反体制的な側面があります。議員Aは一般市民の声を政策に反映させようという努力が見られる一方で、その戦術がしばしば問題視されています。 一方で、議員Bは長年国政で経験を積み、社会保障や医療問題に関して多くの実績を持ち、比較的安定した保守的な政策スタンスを堅持しています。徳洲会との関係についての疑念があるものの、政治的なバックグラウンドや政権内部での多様な役職を通じての政策運営の実績も目立ちます。憲法改正やエネルギー政策で現政権を支持する保守的なスタンスを持ち、選挙区での基盤も強いと考えられます。 次の選挙で国政運営上の安定性や社会保障に重きを置くなら、既に実績のある議員Bが適任と考えられます。
大石 あきこ(おおいし あきこ)
議員データ
衆議院議員 | |
年齢 | 47歳 (1977年05月27日生) |
所属政党 | れいわ新選組 (無所属→)れいわ新選組 |
選挙区 | (比)近畿 |
議員サマリー
政治家になる前の経歴
- 大阪府大阪市出身。 - 大阪市立塩草小学校、大阪府立北野高等学校を卒業。 - 大阪大学工学部を卒業。 - 大阪大学大学院工学研究科環境工学専攻修士課程を修了し、修士論文として「地域の循環形成を促進する循環型産業開発事業の計画に関する調査研究」を執筆。 - 2002年に大阪府庁に入庁し、地方公務員として勤務。 - 2008年には、大阪府知事であった橋下徹の施策に抗議したことで注目を集めた。 - 2018年に大阪府庁を退職。退職理由として、府知事の政務優先姿勢への不満を述べた。 - 2019年に大阪府議会議員選挙に立候補したが落選。
政治家としてのキャリア
- 2021年、れいわ新選組公認で衆議院議員総選挙に立候補し、大阪5区で比例近畿ブロックより初当選。 - 衆議院予算委員会に所属。 - 2022年にれいわ新選組の代表選に櫛渕万里と共同で立候補したが、山本太郎に敗れる。しかし、山本により党共同代表に指名される。 - 2023年、駐日パレスチナ常駐総代表部大使の表敬訪問を受ける。
政治活動上の実績
- 2022年、衆議院予算委員会で岸田首相に対し批判的な発言を行い、予算委員長から言葉遣いの注意を受ける。 - 2023年、衆議院本会議での予算案採決時に『牛歩戦術』を展開、議長から注意を受けた。 - 2024年、首相指名選挙において物議を醸す行動があったため強制降壇させられたことが報じられる。 - 訴訟関連では、名誉毀損を巡る橋下徹との訴訟で勝訴し、2024年に大阪高裁で控訴棄却。 - 山口敬之との名誉毀損訴訟では、2023年に一審で敗訴するも、2024年に東京高裁で逆転勝訴。
政治的スタンス
- 憲法改正に「反対」、特に憲法9条の改正に反対する。 - 敵基地攻撃能力の保有や北朝鮮への圧力より対話を重視する。 - 普天間基地の辺野古移設に反対。 - 日韓問題に対して柔軟な態度を提唱。 - ジェンダー問題として選択的夫婦別姓制度の導入や同性婚を支持。 - 消費税の廃止とガソリン税ゼロを主張。 - 社会保険料負担軽減や公共事業の拡大を重視。 - 原発廃止や水道民営化に反対。 - 介護・保育従事者の月給引き上げと教育の無償化を目指す。
国民の代表としての適格性を判断する上で特筆すべき事項
- 地方公務員として長年勤務した経歴から、行政の内側からの視点を持つ。 - 環境工学修士として学問的な裏付けがあり、政策論においても一定の知識基盤を有する。 - 訴訟関連では、意見と論評を巡る複雑な問題に関して、司法の場で自身の立場を守る結果を残している。 - 政策提案として、若者や労働者の視点を重視し、ジェンダー平等や福祉政策を積極的に推進。 - 中核派との過去の関連を問われることもあるが、政治活動においては市民運動との連携を重視し続けている。
田村 憲久(たむら のりひさ)
議員データ
衆議院議員 | |
年齢 | 60歳 (1964年12月15日生) |
所属政党 | 自由民主党 自由民主党(額賀派→石破G→無派閥→岸田派→無派閥) |
選挙区 | 三重1 |
議員サマリー
政治家になる前の経歴
- 1964年12月15日、三重県松阪市で生まれる。 - 松阪市立幸小学校、高田中学校、三重県立松阪高等学校を卒業。 - 千葉大学法政経学部経済学科を卒業し、経済学士の称号を得る。 - 1988年、日本土建に入社。 - 1994年、伯父である田村元の秘書を務める。
政治家としてのキャリア
- 1996年、第41回衆議院議員総選挙に自由民主党公認で出馬し、三重4区で初当選。 - 2001年から2002年、第1次小泉内閣で厚生労働大臣政務官を務める。 - 2003年、小泉第2次改造内閣で文部科学大臣政務官に就任。 - 2006年、第1次安倍内閣で総務副大臣を務める。 - 2012年から2014年、第2次安倍内閣で厚生労働大臣に任命され、初入閣。 - 2020年、菅義偉内閣で約6年ぶりに厚生労働大臣に再び就任。 - 自由民主党三重県支部連合会長、衆議院厚生労働委員長、自民党副幹事長等を歴任。
政治活動上の実績
- 2012年、第2次安倍内閣で厚生労働大臣に就任し、社会保障全般を担当。 - 2013年、危険ドラッグへの包括指定規制を導入。 - 2017年、受動喫煙防止を目的とした健康増進法改正案で自民党案をまとめる役割を担い、表示義務化などの方針を提示。 - 2012年、生活保護の給付水準引き下げを決定。 - 徳洲会幹部との会食が問題視され、「幹部と会ったかどうか定かでない」と釈明。
政治的スタンス
- 憲法改正に関して、2017年のアンケートでは「どちらとも言えない」、2021年には「賛成」と回答。 - 集団的自衛権の行使を認める立場で大いに評価。 - 選択的夫婦別姓制度に対しては、2014年は「反対」、2017年以降は「どちらとも言えない」と回答。 - 「LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法案」に賛成。 - 原子力発電の依存度は現状を維持すべきと回答。
国民の代表としての適格性を判断する上で特筆すべき事項
- 長年にわたり国政での経験を重ね、特に社会保障分野での知見を発揮している。 - 徳洲会との関係についての疑念がかけられたが、政治献金を受けなどの過去の記録はないと主張。 - 保守的な政策スタンスを持ち、特に防衛やエネルギー政策で安倍内閣の方針を支持。 - 父や伯父も政治に関与した家庭背景を持ち、世襲議員としてその批判にどう対応するかが試されている。